「楽しく建てる家」
和田七右衛門商店の建築レポートです。 建築の過程や詳細がご覧になれます。
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 海を望む高台に広告制作会社のスタジオとして計画された建築物です。その後法規制上の問題から(第一種低層住宅専用地域に区画整理されました。)店鋪併用住宅となり、現在の形態となりました。
 この「海のスタジオ」のクライアントは自身が建築に非常に造詣が深く、自称「建築オタク」と名乗るほどです。そのため建築のデザインを施主自身が行い、それを設計施工サポートするという珍しいケースとなりました。またスタジオ特有の施工方法などの問題もあり、クライアントの会社が施工の一部を手掛ける「半セルフビルド」という形態で施工されました。



 この建築物の基本は4つの長方形モジュールを並べ、そのうち東側の一棟を北側へ2mほどずらして配置しました。スレート平板の外見と相まって非常にストイックなプロポーションです。そのストイックさに所々木の風合いが覗いているのが心地よいアクセントとなっています。外壁内壁ともに等間隔でビスで留められており、そのビスがリズミカルなテクスチュアとなっています。これは後にメンテナンスが必要となった際に、その施工が容易になることにも一役買っています。「仕上げを極力せずにむき出しの質感で・・・」というクライアントのアイデアからこの質感となりました。基礎は独立基礎で、建物はそこから20cmほど上がったところから施工され、地面から浮いたような独特な雰囲気を持っています。
 東側のA棟とB、C棟との間、またB、C棟とD棟との間はウッドデッキでつながっており、共に玄関としての役割も果たしています。A棟とB、C棟との間はポリカーボネイドの天窓。B、C棟とD棟との間はガルバリウム鋼板の折板がむき出しの仕上げとなっています。これも「屋内と屋外の境界が曖昧なスペースを」というクライアントの要望によるものです。
 天井は高く、平均すると2.9m程です。これはスタジオ機能としての希望サイズでしたが、住居部分もそのままそのモジュールを使用しています。その天井高を利用して住居部分はロフトスペースを、スタジオ部分は機械室とストックを兼ねたエリアの上部に小さな休憩スペースを配置しました。いずれも心地よい遊びの空間となっています。
 「木」がセールスポイントの和田七右衛門商店ではありますが、このケースのようなメタリックやRC系のテイストの建築にうまく木のテイストをミックスしていくのも、また味わいのある建築となります。ちなみに「海のスタジオ」と名付けられた理由はこの立地が海の近くにあるからですが、このクライアントは当初、山間部にスタジオを建設予定でした。ちょっとした偶然から海のスタジオとなったのですが、近い将来また「山のスタジオ」を建設する希望があり、その時それぞれのスタジオを呼び分けられるようにとの思いもあるそうです。